旅のルーマニア

ルーマニア旅行のための手引き

ルーマニアの治安は悪いという意見に反論しておく


ネット情報によると、ルーマニアの治安は悪いとされているようです。わたしは、そうは思いません。わたしの意見を書いておきます。

まず「ルーマニアの治安」という言葉が何を指すのかとういことですが、この言葉には多少曖昧なところもありますので、ここでは、「日本人旅行者がルーマニアに入国した場合どのような危険があるのか」という観点で記事を書こうと思います。おそらくそのほうが「ルーマニアの治安はどうなのか?」という話よりも、皆様のお役に立てるのではないかと思うからです。

 

印象としてのルーマニアの危険さ

ルーマニアにも犯罪はあります。三面記事的な事件は日々起きています。しかしそれは日本と変わりません。東京に普通に暮らしていて犯罪に接することがほとんどないのと同様、ブカレストで犯罪被害に遭う可能性はそれほど大きくないのです。

さらにここの国の良いところは、人々が怒りを暴力に代えて訴えないことです。身の危険を感じるというような事態は、密輸組織にでも加わらない限り、そうはないだろうと思います。他人に危害を加える人は非常に少ないと思います。

ルーマニアで危険を感じるとしたら、それは人ではなく、むしろ犬であったり、道路の穴であったり、建物の外壁から崩れてくる漆喰だったりします。工事をしていたらしいマンホールがふさがれないまま放置してあるようなケースは少なからずあり、気をつけないと危険です。

参考: 崩れた外壁が路上に散らばる例。(2015年6月 クルージュ・ナポカ市)

 

 

ルーマニアを旅行する人にとっての危険

であるのに、なぜネットでルーマニアは治安が悪いといわれるかというと、日本人で犯罪被害に遭った人がいるとか、単なるイメージだとか、20年位前の話だとか、そういったものがまぜこぜになって拡散されているのではないでしょうか?
ですが、もう一つ理由があることは明らかです。それは旅行者が目にする場所はそこに住んでいる人の生活の場と同じではないということです。そして、旅行者が多くいる場所、そこが危険な場所なのです。すなわち、空港・駅・ホテル周辺です。
今ではその数も非常に少なくなりましたが、そういった場所にはあわよくば旅行者をだまして金を巻き上げようとする類の輩が集まっています。よく日本人と思われる男性がポン引きのおやじと話しているのを、街で見かけますが、これも危険です。基本的に先方から話し掛けてくるような人間を頭から信じてはいけません。それは、ルーマニアも日本も同じでしょう。

ルーマニアは治安が悪いという人は、旅行者しかいない場所で何か嫌な目にあっているのでしょう。しかしこれらの危険を避けるのは簡単です。とにかく声を掛けてくる人間は無視することです。(ただし警察官は無視しないほうがいいです。警察官は必ず制服を着て二人一組で行動しています)。

もう一つたいへん重要なことですが、流しのタクシーも危険です。タクシーは自分で呼ぶなり、ホテルに頼むなりして、必ず自分がどのタクシーに乗っているか客観的に分かるようにするのが常識です。外国人が流しているタクシーを止めたとしたら、それはタクシー側にとって、これ以上ないチャンスですよね。目の前に空のタクシーが停車していたとしても、タクシー会社に電話するのが基本です。自分でできなければ誰かに頼んででもそうすべきです。命が惜しいのであれば。

ということで、今から20年以上前ならどうかは知りませんが、西暦2015年に避けられない危険はそれほどはないのです。言い換えれば、ルーマニアは治安が悪いという批判は筋違いです。

 

気をつけたほうがいい場所

夜の繁華街はそれほど危険ではありません。歩行者はみな酔っ払いだし、日本人を見てからかってくる人(主に若者)はいるかも知れませんが、身の危険を感じるような事態になることはないでしょう。ちなみにブカレストのいわゆる旧市街内は警官が巡回しています。

また長距離列車の中は一応盗難に注意したほうがいいでしょう。眠っているあいだに荷物を持っていかれないように。

普通の市民生活で一番危険なのはおそらくバスやトラムの中でしょう。乗客が少ないバスに服の小汚いおばちゃんと子供たちが乗ってきたら、それは危険のフラッグです。また、地下鉄にやたらとハイな10代後半の少年少女数人のグループが乗ってきたら、警戒したほうがいいでしょう。あなたを狙うかもしれません。念のため囲まれる前に降車したほうがいいでしょう。誰かがあなたの注意をひきつけて、そのあいだに別の誰かがあなたの持ち物を盗むというのが一般的な手口です。また、この同じやりかたで通りを歩くあなたをだまそうとするかもしれません。汚い服装の子供たちには気をつけたほうがいいです。

また時折、ヴィクトリエイ広場、大学広場、国立劇場前といったブカレストの中心でデモをやっていることがあり、注意しなければなりません。デモ行進をする場合は、街の中を練り歩きますので、彼らと遭遇しないよう歩かないと危険です。危険と言っても最近は暴力的なデモはありませんが、やはり念のためデモ隊は避けるのが無難です。

最後に野犬の問題ですが、これは全国的に非常に数が減っています。またブカレストの野犬は狂犬病の予防注射を受けています。しかも路上生活で生き残った犬は、それなりに人馴れしていて、人間をさりげなく避けてくれたりもします。人通りの多いところで見かける犬はあまり心配する必要はありません。しかし人気のない道で、前方に野犬がいたとしたら、遠回りしてでも避けたほうが賢明です。

 

以上、ブカレストを中心にルーマニアの治安について一通り書きました。まとめれば、危険な人がいる場所で危険を察知した行動をとらなければ危険、これにつきます。危険を察知した行動というのは、上にも書いたとおり、話し掛けてくる人間を無視することです。これだけでほとんどの危険を回避できるはずです。


15 Comments

Add a Comment
  1. 犯罪に合う確率以前に、野犬やニセ警官などが居る時点で
    治安は悪いと言えると思いますが…。
    誤解を招くような書き方をされているので
    ルーマニアについて勘違いしてしまう方が
    いらっしゃるのではないでしょうか

    1. ことり様、コメントありがとうございます。

      わたしの知る限りニセ警官は今はいないと思います。野良犬はまだ少しいますが、そこそこ飼いならさせれていて、それほど危険ではなくなっています。また、野良犬を見かけたら避けることができるので、そこは心がけの問題ではないかと思います。

      東京の夜は酔っぱらいにからまれる可能性があるので、治安が悪いというのなら、ブカレストも治安が悪いということになるのでしょう。でもそれは、ちょっと極端な言い方になってしまいますよね。

      わたしが言いたかったのは、しかし、そういうことではなく、ブカレストで起こりうるたいていの危険はちょっと気をつけていればすべて避けられるということです。ご理解いただけるとありがたいです。

    2. この方本当にルーマニアに行ってのコメントなのでしょうか。勘違いなどと書かれていますがご自分が勘違いされている可能性は…

  2. はじめまして。ブルガリア旅行を予定しており、ルーマニアでブカレストに2泊しルーマニア鉄道でソフィアに移動というスケジュールです。しかしブカレストの治安に大変悩んでいました。フランスやイギリスには何度も行っているのですが、東欧は言葉も分からないこともありネット情報でルーマニアを外すかとても悩みました。海外旅行はかなり慎重派なのでそれを気をつければブカレスト訪問も有りかな……とこちらの記事を拝見して思えました。ありがとうございました!

    1. ひつじさん、コメントありがとうございます。
      都市部では世界の共通語ブロークンイングリッシュが通じます。若い人(30代くらいまで)はみな英語を小さい頃から学んでいますので、言葉の問題はそれほどありません。わからないことは近くにいる人に聞けば、多くの人は丁寧に説明してくれると思います。
      なお、ブカレスト-ソフィアの移動についてですが、鉄道で一気に移動するよりは、ルセで下車して、ルセからバスで行くほうがやや快適ではないでしょうか。(6時間の行程でトイレ休憩もあります)。もちろん日程にもよりますが。

  3. ブカレストへの旅行を計画中のモノです。
    若くはないでくが女ひとりなので若干不安でした。
    特に地下鉄やブラショフ方面に行く長距離列車など
    なにかあったらやだなあと感じていたので
    この記事をみてすこし安心できました。
    とはいえもちろん極力きをつけますが!

    1. コメントありがとうございます。ブカレストの地下鉄は入り口にバーがあるので、タダ乗りできるバスなどより乗客の質がいいように思います。
      長距離の国鉄に乗ると、知らない人に話しかけられるかもしれませんが、悪意を抱いて近づいてくる人はあまりいないと思います。ただし、飲食を差し出されても手を出さないほうが安全です。かつては列車内の昏睡強盗がよくありました。

  4. 安全と思える国を中心に50カ国以上個人旅行していますが、大都市であるブカレストの中心街を昨晩(25時)と先ほど(23時)歩いてきましたけど、米国や中国よりも安全ですね。感覚的には、西欧諸国よりも安全っぽい気がしました。
    ルーマニアは治安が悪いとかなり煽られていますが、私も反論を少し書いて記事をアップロードしました。(ウェブサイトにアドレスを登録してあります)

    ここのコメントにも、行ったこともないくせに「野犬やニセ警官などが居る時点で
    治安は悪いと言える」などとほざいている輩がいますが、日本だって偽警官はあまり聞きませんけど、野犬は普通にいますよ! (野犬で治安が悪いという感覚も信じがたいですけど)

    1. コメントありがとうございます。

      わたしの意見を補足していただき感謝します。実際、わたしも夜中よくブカレストの街中を徘徊していますが、怖い思いをすることはほとんどありません。警察に声を掛けられることもありません。街角に寝ている又は座っている乞食や酔っぱらいに驚かされることがある程度です。
      野犬はちょっと怖いのですが、保健所によればブカレストなど町の野犬は予防接種をしているので、狂犬病の心配はないとのことです。(噛まれると痛いけど)。
      いわゆる旧市街については、暴力団・チンピラ・不良少年などがのさばる日本の繁華街と比べれば、ある意味より安心して楽しめる場所とわたしは思っています。

  5. 現在ブカレストをこずれで旅している者です。貴重な現地情報を読ませていただき感謝申し上げます。当分ルーマニア内を楽しんで旅させていただきます。

    1. 旅行はいかがでしたか?危険な思いはされなかったですよね?
      ルーマニアは完璧主義の人には低く評価されがちな国ではありますが、他人(の過ち)に寛容な社会の良さがここにはあるのではないかと、わたしは思うのです。

  6. 3日前真夜中にブカレスト空港に着きました。そこから深夜バスでINの予約サイトで予約した市内の宿舎のある終点の停留所で降りたのですが、住所や地図からは直ぐ近くにあるはずなのにどうしても見つかりません。通行人や近所のホテルで訪ねても誰も分りません。そこでやむなく休憩でもしている一台の比較的若いタクシーの運転手に尋ねたら、案の定私の荷物をさっさと車に積んだうえに車に「乗れ」という。私はタクシーは要らないと言ったところ「これはタダだから」という。ここまできたらままよ、聞いていた様にボラれてもいいからとにかく宿舎に着きたい一心で乗ったら近所をうろうろ探すもやはり見つからず。そこで予約書にある電話番号に電話をしてやっと見つけることが出来ました(何のことはない、宿舎はさっきから行ったり来たりした場所にあった)。そして宿舎の目の前で車を止めて、いくらだと聞いたら「いらない」と言って受け取ろうとしません。それではあまりに申し訳ないので、なにがしかを無理に手渡すと何とか受け取ってさっさと走り去りました。ブラボー、ブカレスト!ブラボー、ルーマニア!!

    1. コメントありがとうございます。胡散臭い人もいるけれど、それほど騙して金を巻き上げようとする人が多いわけではないのが、現在のルーマニアだと思います。
      とはいえ、タクシーの運転手がお金を受け取ろうとしないというのは珍しいケースですね。本当に親切のつもりでやったんでしょうか。

  7. ルーマニアのヤシ以北田舎部を旅行しております。人々が暖かく人情溢れる良い国だと感じます。治安も言われているほど悪いとは感じませんでした。ただ一点、これは他のヨーロッパ都市でも言えることですがロマの方々には注意したほうが良いですね。明らかに観光客特に日本人を標的にしております。スルーして近寄らないよう心がけないと盗難等に巻き込まれる可能性が高いです。ロマの方はインド系の認識で黒髪の方を警戒していたのですが金髪ロマに財布をやられました。皆さまもご注意ください。

    1. コメントありがとうございます。財布は盗まれたのですか、それとも盗られる前に気づいたのですか?強引に持ち逃げしようとする子供がたまにいるのは残念なことですが、現実です。ただこれはロマが一般的に悪い人たちだということではなく、やはり危険なときに危険な場所に行くと危険な人がいるということかと思います。基本的にロマ系の人も定住していますし、社会にそれなりにインテグレートしています。ロマ族一般が悪いというより、置き引き・スリタイプの犯罪をよくやっているのはロマ系の人に多いということかと思います。

      怪しい人は繁華街や観光地、市バスの中、駅・バスターミナル付近にいます。怪しい人は見た目ですぐ分かります。近づかないのが一番です。

      また、テラスに座っていると、置き引きの危険があるだけでなく、乞食や花売りが近寄って来ることがあります。日本人の多くはこういう人たちを毛嫌いする傾向にありますが、1レイ-5レイあげてもいいのではないか、あるいはバラ1本くらい買ってもいいのではないかとわたしは個人的に思っています。(1レイは30円弱)。とくに子供の乞食や花売りは大人に強いられてやっているわけです。あげたお金は最終的には上納されることになるとはいえ、わたしは子どもたちに対して多少なりとも憐憫の情を覚えます。

      話がそれてすいません。観光客が狙われやすいのはどこでも同じです。貴重品の取り扱いには十分注意して下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

旅のルーマニア © 2015 Frontier Theme